障がい者手帳を持つことのメリット・デメリット
2020/03/29
障がい者手帳を持つことで得られるメリットにどんなものがあるか。
これって意外と手帳を持っている人でも知らなかったりしますので解説していこうと思うのですが、その前に、
障がい者手帳を取得しようかどうしようか考えているのなら、手帳は持っておいた方がいいです。
(ただし精神障害者手帳は2年に一度更新が必要なので費用はかかってしまいます。医師の診断書がいるのでその費用は1万円程度。)
見た目ではわからない精神の障害を持つ人が「その事を世間に公表したくない」のなら税金・医療費などの控除にだけ手帳を使えばいいんじゃないでしょうか。
手帳を提示すれば公共の交通機関や施設の利用でも割引になりますが、周囲の人にはわからないような手帳の使い方をすればいいと思うんです。
税金関係などで控除を使わないのはもったないです。
メリット・デメリットを比較すると使い方次第で圧倒的にメリットが多くなると思うのです。
どんなメリット、デメリットがあるのか調べていきましょう。
目次(見たいポイントに直行)
障がい者手帳を持つメリット
障がい者手帳を持つメリットを大きく分けると
●就職に関する事
●国、地方自治体からの福祉的援助
この二つになります。それぞれみていきましょう。
就職に関する事
一般事業主で、45.5人以上の従業員がいる企業は、従業員数の2.2%以上の身体障害者・知的障害者を雇用する必要がある。
雇用率を達成していれば、国から障害者雇用調整金が企業に支給される。
逆に達成していなければ、障害者雇用納付金を徴収されてしまう。
企業が障害者を雇用したとみなされるには、障害者手帳を持った人を雇用しなければいけません。
障害者手帳を持っていればこうした企業の障害者雇用枠で採用される機会が出来るわけです。
障害者手帳を持っていることで大手企業の障害者雇用枠での採用も期待出来ますし、通院のための遅刻、早退などが認められます。
ただし障害者雇用枠での採用は健常者と同じような待遇ではない場合が少なくないのが現状です。
正社員採用ではなく契約社員だったり、給料面でも安くなる、といった事があります。
そのため障害が軽度の方は障害者枠ではなく一般枠での採用に応募する事が多いのです。
さらに見た目ではわからない精神の障害を持つ人では障害がある事を公表せずに一般枠で就職する場合もあります。
障害者向け転職・就職エージェントの利用
ご存知の方も多いと思いますが障害者向け転職・就職エージェントというものがあります。
ざっくり言うと、登録する事で専門のアドバイザーがついてユーザーに合う求人を紹介してもらえるものです。
自分の足で探し回るよりも効率的にな就職活動が出来ると思います。
この障害者向け転職・就職エージェントを利用する条件として手帳を「取得している事、または申請中である事」、となっています。
国、地方自治体からの福祉的援助
国、地方自治体からの福祉的援助を受けるには障害者手帳が必要です。
この福祉的援助、利用出来るところは出来るだけ利用しないと勿体無いと思いました。
税金の控除
障害者手帳があれば税金の控除が受けられます。
●所得税
●住民税
●自動車税・自動車取得税
●相続税
●贈与税
などの納税額を少なくする事が出来るのです。
公共の交通機関、施設の割引
障害者手帳を持っていることで公共の交通機関が割引で利用出来ます。
●鉄道
●バス
●飛行機
●有料道路
●タクシー
●船舶
商業施設も割引で利用出来ます。
●映画館
●美術館
●水族館
●東京スカイツリー、東京ディズニーランドなど
公共料金も割引で利用出来ます。
●NHK受信料
●携帯電話料金
公営住宅の入居が優先的に出来る自治体もあります。
各自治体のホームページからチェックしてください。
【障害者向け住宅施策の流れ】1967年:身体障害者向け特定目的公営住宅→1980年:公営住宅法改正・身体障害者の単身入居可→1990年代:新設公的住宅の全バリアフリー化→障害者プラン・障害者基本計画でバリアフリー整備進む→2009年:公営住宅で知的障害者・精神障害者の単身入居可
— たまき@福祉住環境コーディネーター (@fjc_tamaki) January 13, 2013
障がい者手帳を持つデメリット
自分を障害者として受け入れられないという心情的な部分
障害者手帳ももらえばいい。国立、県立、市町村立ならば、只だったり、半額だったり、付き添いも一人只だったり、半額だったり。そして障害者手帳を持つことの一番のメリットは、自分が障害者だと自覚することだ。でもこれが意外にもハードルが高い。 #障害者手帳
— アベケン (@OUFHdBKkxCPpIxH) June 1, 2019
精神障害で障害が軽度の方は「通院はしているが自分はほとんど健常者と変わりない」と感じていて手帳を取得するのは自尊心が許さないと思われるようです。
しかしクローズ(障害を公表しない)で働けるうちはいいでしょうが、健常者と同じような一般の採用で仕事に就けなくなったときは障害者雇用枠での採用で入るしかなくなる場合もありますよね。
そういうときのために「保険の意味で手帳を取っておく」という姿勢でいいんじゃないでしょうか。
障害者手帳を持つ事で社会的に障害者として扱われる事の負の部分
障害者雇用枠での就労
障害者雇用枠で採用されたが障害に対して理解のない職場だと辛い。
健常者の上司、同僚などからの差別、悪口など。
障害者手帳を使わずクローズ(公表しない)で就職すればよかったと思うかもしれません。
生命保険への影響
生命保険加入のと障害者手帳の提示を求められます。
場合によっては加入を断られることもあります。
仮に障害を隠して加入した場合は契約違反になり保険がおりない結果になってしまいます。
まとめ
6月末に1年悩んで手帳をもらうことを決めた。診断書もらってからも出すのに悩んだ。でも、メリットも大きいと聞いてだした。
今日、届いた。思ったより薄くて無くしそう💦
でも、いまだに これで良かったのかはわからない pic.twitter.com/2oAnROOmd8— あーたん (@yuritomama) August 9, 2019
障がい者手帳を持つ事のメリット・デメリットを紹介してきましたが、メリット・デメリットどちらがか多いのかはそれぞれの人の捉え方によって違ってくるので一概には言えないですね。
しかし退職や失業をしてから手帳を取ろうと思っても自治体によっては時間がかかる場合があります。
持っているだけならデメリットはほぼないので、時間的ににも精神的にも、余裕のあるときにとっておいた方がいいと思います。
メリットを感じられなければ返還も出来ますしとりあえず取っておいていいんじゃないでしょうか。
以上「障がい者手帳を持つことのメリット・デメリット」という記事でした。
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