聴覚障害者の仕事探しの現実、向いている仕事は?手帳は取った方がいい?

      2020/09/19

聴覚障がいを持っていてこれから社会に出て仕事をしていこうとしている人。
すでに就労しているが現在の職場でのコミュニケーションの難しさを感じて転職を考えている人。
こういった人たちの参考になるように聴覚障害者の仕事探しの現実について書いてみました。

この記事でわかる事

障がい者手帳は取った方がいいのか?
聴覚障害者に向いている仕事
大事なのは職場でのコミュニケーション

手帳は取った方がいい?

聴覚障害は身体障害者手帳を取得します。

障がい者手帳は持っているメリットの方が断然多いです。

障がい者手帳を持つメリット

 

企業の障がい者雇用枠での採用が期待出来る

一般事業主で、45.5人以上の従業員がいる企業は、従業員数の2.2%以上の身体障害者・知的障害者を雇用する必要がある

障がい者雇用枠で就職することによって職場で障がいに対して配慮をしてもらえるようになる。

障害者向け転職・就職エージェントの利用

障害者向け転職・就職エージェントとは登録する事で専門のアドバイザーがついてユーザーに合う求人を紹介してもらえるもの。

登録条件として「障がい者手帳の所持または申請中であること」となっています。

国、地方自治体からの福祉的援助

障がい者手帳を持っていれば国、地方自治体からの福祉的援助が受けられます。

●税金の控除

●公共の交通機関、施設の割引

聴覚障害者の等級

障がい者手帳を取得する際に障がいの程度によって等級が決まります。
等級によって税金の控除などが変わることもあります。

2級・3級・4級・6級・の4段階があります。

2級 両耳の聴力レベルがそれぞれ100 デシベル以上のもの(両耳全ろう)
3級 両耳の聴力レベルが 90 デシベル以上のもの(耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの)
4級 【1】両耳の聴力レベル が80 デシベル以上 のもの(耳介に接し なければ話声語を 理解し得ないもの)
【2】両耳による普通 話声の最良の語音 明瞭度が50 パーセ ント以下のもの
6級 【1】両耳の聴力レベ ルが 70 デシベル以 上のもの(40 センチ メートル以上の距離 で発声された会話 語を理解し得ない もの)
【2】 一側耳の聴力レ ベルが 90 デシベル 以上 ,他側耳の聴力 レベルが 50 デシベ ル以上のもの

聴覚障害の程度

聴覚障害は身体障害手帳の等級とは別に聞こえの程度で3段階に分けられる。

ろう 両耳がほぼ聞こえない100dB以上の聴力レベル
第一言語が手話である
日本語を音として聞いた経験がない話す事はほぼ出来ない。
難聴 ある程度聴力が残っている状態
原因や器官の場所によって次の3つに分かれる。
「伝音性難聴」
「感音性難聴」
「混合性難聴」ある程度話す事は出来るが不明瞭
中途失聴 事故・病気・高齢などにより途中から聞こえなくなった人

聴力を失う前は普通に話が出来ていたので耳が聞こえない状態でも話す事は問題なく出来る。

聴覚障害者仕事探しのポイント

主な就職活動の仕方はハローワーク、もしくは障がい者向け就職エージェントで行う。

聴覚障害者に向いている仕事は?

 

パソコンのスキルを活かせる仕事

パソコンに限りませんが自分のスキルが生かせて、かつ一人で出来る。人とのコミュニケーションが少なくて済む。
こういう仕事は聴覚障害者に向いています。

・システム開発などのプログラマー、エンジニア。

・Webデザイン、DTPデザインなどのデザインナー。

テレワーク(在宅ワーク)

在宅でする事務職もいいでしょう。

・備品・伝票管理・データ入力・資料作成など。

医療・福祉関係

仕事柄、障がいに対しての理解が得られて職場での配慮が得られやすい。

障がい者向け就職エージェントは手話に対応出来るか?

大手障がい者向け就職エージェント担当者に「手話」での対応が出来るのか聞いてみました。

dodaチャレンジ

回答

手話ができるアドバイザーの件ですが、現在手話でコミュニケーションをとることができるアドバイザーは在籍しておりません。しかしながら、アドバイザーは聴覚障害の方の対応に慣れている者になりますので、ご安心下さいませ。カウンセリングの際は口話や筆談、状況に応じてチャットでのご対応をとらせていただいております。

atGPアットジーピー

回答

大変恐れ入りますが、弊社のキャリアプランナーで手話ができる者は在籍しておりません。
ただ、お客様のご状況に合わせて、対面での筆談の他、
オンラインのZOOMやUDトークといった機能を使った
チャットでのカウンセリングは行っております。
(現在はコロナウイルス感染予防として、オンラインでのカウンセリングをお勧めしております)

両方とも手話が出来る担当者はいませんでした。

対面でのカウンセリングで口話、筆談。

オンラインでのカウンセリングではUDトークの機能を使ったりチャットでの文字入力での対応になりますね。

聴覚障がいの方向け就職支援「いそひと」

いろいろな研修を行って聴覚障がい者が就職が出来るようにサポートをしてくれる組織です。

●障がい特性を知り、人に伝える技術を身につける
●スマホやタブレット、PCを使用し、ITリテラシーを磨き、伝える手段をたくさん身につける
●ストレス対処方法などを学び、就職後も長期安定就業するための力を身につける

http://www.isohito.jp/

聴覚障害者を取り巻く環境あれこれ

聴覚障害者は社会とコミュニケーションをとるためにさまざまな方法・機器を使っています。

補聴器

現在ではさまざまな補聴器が販売されていてその性能は昔とは比べて格段によくなっています。

Blutooth通信出来る補聴器もありますね。

音声を文字変換するアプリ

音声を文字に変換するアプリも進化していて会議などでも十分つかわれています。

有名なのは「UDトーク」です。→公式サイト

使っている様子の動画

字幕ガイド用スマートグラス

映画館で字幕が付いていない映画でも字幕表示が出来る。

■スマートグラスとは?

メガネ型機器スマートグラス(MOVERIO)を装着することで、上映中の作品を見ながら、ご自身にだけ日本語字幕を表示させることができます。

新宿ピカデリーでは聴覚障害者の方にご利用頂ける、字幕ガイド用スマートグラスの貸出を行っております。

https://www.smt-cinema.com/site/shinjuku/news/detail/010351.html

 

コラム
【ガルパンは騒がしい内容なのに全ての音がはっきり聞こえる】
アニメ音響監督の岩浪美和さんの手掛けた作品は神レベルで聴覚障害者にとって聞きやすい。

聴覚障害者就職の厳しい現実

職場での悩み

健常者の勘違い

聞こえないイコール無音ではない。
話し声が理解出来ない雑音にしか聞こえないので補聴器で増幅しても大きな雑音にしかならない場合がある。

職場の上司や同僚にどのように聞こえづらいのか説明が難しい。

聞こえない事をしっかりと周囲の人に説明する努力は必要です。

車椅子の人に立って歩けとは誰も言わない。
しかし難聴者には「ちゃんと聞いて」という。見た目ではわからないので配慮する事が出来ない。

まわりの人に伝えておかなければいけない事

出張先のホテル、放送や警報などは直接知らせてくださいと伝える。

大きな声で話せば聞こえると勘違いしている人

感音難聴は話し声が雑音に聞こえてしまう。
大きな声になれば大きな雑音にしかならない。

大勢での会話が苦手

補聴器をつけたら、健常者と同じように聞こえると勘違いされる人が多い。
歓送迎会や会議など大勢の人が喋っている状況ではほぼ聞き取れない。
補聴器で増幅されると雑音大きくなるだけでよけいに聞き取れない。
補聴器では電話のベルがうるさくて疲れてしまう。

仕事上のトラブル

一緒にいたから聞こえていたでしょう?

何回も根気よく説明しないと聴覚障害があることを忘れている人が少なくない。

普段リラックスして1対1でいるときは会話が出来ているので誤解される。

1対1でのリラックスした会話は大丈夫でも複数人での会話は聞き取れない。

明瞭には聞こえないので瞬時に反応出来ない。相手も自分もイライラ。

一回では聞き取れないので瞬時に反応するのが苦手。そのことで相手をイライラさせて険悪なムードになり自分もストレスでイライラしてしまう。

まとめ

「やはり一番大事なのはコミュニケーションを取る事を諦めないこと。」

と言うのは簡単ですが当事者からすれば大変なこと。

まわりとのコミュニケーションを諦めて自分の世界で生きている聴覚障害の方もいます。
こういう人にいわせると「それで仕事が出来て生活が出来ているなら問題ない」と言います。

しかし多く聴覚障害の方は仕事場でのコミュニケーションをせまられます。
それがストレスになるんなら困りものですよね。

うまく自分なりの方法を見つけていかなければいならないのかもしれません。


以上「聴覚障害者の仕事探しの現実、向いている仕事は?手帳は取った方がいい?」という記事でした。
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