障害者手帳がもらえない(診断書を書いてもらえない)なら担当医師をかえてみたら?

      2020/05/26

障害者手帳もらえない

ある程度の障害を持っている人が障害者手帳をもらえないと色々困った事になりますよね。

・障害年金が受け取れない。
・色々な控除が受けられない。
・公的なサポートが受けられない。

などなど経済的にも厳しい事になります。

しかし病気の種類によっては医師による診断書がもらえず障害者手帳を利用出来ない、そういう人たちは少なくありません。
あなたはどうですか?

障害者手帳をもらえないことで障害者でもない、健常者でもないという困った立場に置かれていませんか?

もしあなたが障害者手帳のための診断書がもらえない事で困っているならば、いま担当している医師ではなく、別の医師に相談すれば診断書を書いてもらえる可能性はあるんです。

今回の記事では、障害者手帳がもらえない、つまり障害者認定がされない事で苦しんでいる人について書いていきます。

この記事でわかる事
・医師をかえることで障害者手帳が手に入る事もある
・手帳をもらえない事で困っている人はたくさんいる
・どうしても手帳をもらえないときの対応

診断書を出して貰えない理由

どうして診断書を出してもらえないのか、 ご自分で調べられる範囲で確認する方法を書きますので調べてみてください。

(念のため書いておきますと、ここでいう診断書とは「県知事などが指定した特定の医師」が障害者認定のために書く診断書のことです。
普通の病気や怪我のための診断書とは全く違うものです。)

交付対象かどうかの確認

本当は担当医師が説明してくれるならすぐわかる事ではありますが、自分でも障害者手帳の交付対象であるかはある程度判断出来ます。
ドクターハラスメント(後述)を受けて困っている人もいるので。

身体障害認定基準(東京都福祉保健局)(認定基準は全国共通です)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shinsho/shinshou_techou/sintaisyougaininteikijyun.html

 

自分の地域の対応状況はこちらで。
各都道府県の健康福祉部門の体制
https://www.pref.nagano.lg.jp/jinji/kensei/soshiki/shingikai/ichiran/gyosei/6kai/documents/shiryou6205.pdf

認定を受けるのには

認定を受けるには自分の地域の福祉事務所や市町村の障害福祉関連の窓口から申請します。
必要な書類は次のようなものです。

① 交付申請書 (※1)

② 身体障害者診断書・意見書  (※2)

③ 印鑑 (申請書が自著であれば不要の場合もあり)

④ マイナンバーがわかるもの (個人番号カードか、通知カード+運転免許証やパスポートなどの身元確認書類)

※1、2 (申請用の書類の名前は市区町村によって違う場合がありますので注意)

この中で問題は②の指定医師による診断書・意見書が必須ということ

医師なら誰でも診断書が出せるわけではないのです。診断書が作成できるのは県(都・府)知事が指定した医師だけです。

手帳用の診断書・意見書は指定医しか記入できない

身体障害者診断書・意見書は、身体障害者福祉法第15条第1項の規定による指定医師に記載してもらう必要があります。
指定医師は、もよりの福祉事務所(町村部は身体障害者福祉所管課)で調べてください。

普段かかりつけの医師が指定医でない場合は、その病院で診断書を出してもらえる資格のある他の医師に聞くか、障害福祉担当窓口にて教えてもらいましょう。

医師は診断書によって障害固定の内容と等級(1~6)級を指定します。

診断書を市に提出すると県の審査が入り、それに通過すると障害者手帳が発行されるという流れです。

障害者手帳の申請について詳しくはこちらの記事で↓

高齢者廊下

ここまでは通りいっぺんの情報。

結局悩んでいる人の多くは自分が交付対象であるのに、診断書がもらえない人、もしくは確かに交付対象ではないが、現実として健常者としての仕事は出来ない人。

こういった人たちが手帳を持つ事が出来て、障害者枠で働く事が出来るようになるかどうか、というのが今回の問題なんです。

この中には交付対象であるにもかかわらず診断書を書いてもらえない人もいて、その解決策として今担当している医師とは別の指定医を探して診断書を頼んでみたらどうかというのが今回の記事の趣旨であります。

 

いままでの医師とは違う医師に頼んでみる

医師の判断としては「この程度では認定されない」という判断をしていて、それで診断書を出さないのかもしれません。

つまり診断書を出すにはお金もかかるし無駄になるのなら出さないという判断だと思います。(だったらそれを説明してよ、と思いますが)

だけど、申請して却下されるかもしれないけれど、望みを持って申請してみたいという人からすると困った事です。
(とりあえず申請してみない事には始まりませんから)

医師によって判断基準は違う

認定されるかどうか微妙なときは医師によって判断基準は違うので、いままで担当していた医師が出してくれなくても別の医師なら出してくれる可能性はあるのです。

同じ医師でも、こちらで白紙の診断書を用意して「これでお願いします」と、せかすと成功する場合もあるようですよ。

地方の場合対応出来る病院が少ない場合もあり

いままでと違う医師に診断書を書いてもらうといいわけですが、地方の場合、対応出来る病院が少ないために難しいという事もあります。

がんばって遠くの病院まで診断書を貰いに行かなければいけない事も考えられます。

障害者手帳をもらえないと困る事とは?

障害者手帳がないと困る事は次のような事が考えられます。

●障害年金や介護保険が受け取れない
●医療費補助や障害者手当が受けられない
●所得税や住民税の障害者控除が受けられない

障害年金や介護保険

障害年金は全国一律の制度。

障害年金が受けられるかどうかは「医師の診断書」と自分で提出する「申立書」で判断されます。

重要な点は、

●働けない状態にあるという事。
障害のために働けない人の生活を助けるのが障害年金であるわけですからこれは当然。

そして
●その状態が持続する事。
たとえば重病でも回復するような状態であれば障害年金はおりないという事ですね。

出典:ヤフー知恵袋 障害年金がおりるかどうか
やはり決め手になるのは障害者手帳の等級と認定受けた時の医師の診断書内容でしょう。
いろいろ大変でしょうが、これ、受けそびれたら大損ですよ、すぐ受給態勢に入って下さい。
小生、肢体麻痺系二級ですが、正直、今この給付がちゃんと受けられてなかったら…と思うとゾッとします。(それ程、大きいです)
私もこの受給資格を取り付けた時、発症→診断確定(手帳交付)から二年位は経ってしまっていた為、発症当時に入院した病院から(主治医の転勤等もあり)診断書がサクッと出してもらえずに凄く苦労しました。
最後には地元市役所の障害者課のスタッフの方たちに文字通り泣きながら苦境を訴え、意気に感じてくれたその若いスタッフさん達から病院関係にプレッシャーかけてもらい、それをした所、しごくアッサリ書類を出してもらえた…なんて事もありました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/

 

医療費補助や障害者手当

これは市区町村など各自治体で違いがあり地域差がとても大きいようです。

各自治体によって次のようなものがある。

自立支援医療受給者証、自立支援医療費自己負担上限額管理票 医療費が月5,000円を超える場合は減免される。
福祉医療費受給者証 風邪とか、怪我も含めて医療費がほぼ全額戻ってくる。
国民健康保険限度額適応・標準負担額減額認定証 病気、けがで入院したとき医療費がほぼ全額戻ってくる。
その他 利子等の非課税(障碍者マル優)。
相続税に関する障碍者控除。
贈与税の非課税。
自動車税、軽自動車税、自動車取得税の減免。
公営住宅に入居の場合、家賃の減免が受けられる場合がある。
都営交通や都バスが無料。(東京都)

医療費控除が受けられるかどうかの違いはかなり大きいですね。

ひとつの例として東京都目黒区の場合

目黒区のWEBサイトより引用します。
http://www.city.meguro.tokyo.jp/kurashi/shogai_fukushi/enjo/teate/index.html

●心身障害者福祉手当
身体障害1級から3級のかた、知的障害1度から4度のかた、都の難病医療券の交付を受けているかたに手当を支給します。ただし、年齢制限と所得制限があります。
●特別障害者手当
在宅で常時特別な介護が必要な20歳以上のかたで、身体または精神に最重度の障害を持つかたに手当を支給します。ただし、所得制限があります。
●重度心身障害者手当
在宅の重度の障害者(障害児)で、常に特別な介護を必要とするかたに、手当を支給します。ただし所得制限および年齢制限があります。
●障害児福祉手当
在宅で常時介護が必要な20歳未満のかたで、政令で定められた重度の障害(おおむね身体障害者手帳1級、愛の手帳1度)に該当するかたに手当を支給します。ただし、所得制限があります。

所得税と住民税の障害者控除

一般障害者の場合、所得税で27万円、住民税で26万円、課税所得金額から控除することが出来ます。

しかし手帳がないと所得税と住民税の障害者控除は受けられません。

詳細記事

手帳がないと転職エージェントに登録出来ない

転職エージェントでは障害者枠で仕事を探すので、そのためには障害者手帳が必要になります。

そのため、ほとんどの転職エージェントでの登録条件として障害者手帳の所持がありますね。

関連記事 なぜ転職エージェントでは障害者手帳が必要になるのか

手帳をもらえない事で困っている人はこんなにいる

条件が満たせずに手帳が取れなくて障害者でもなく健常者でもない中間の状況で困っている人たちは少なくありません。

障害認定されないと就職する上でも、福祉制度的にも助けてもらえないという事になるのです。

先天性肢端紅痛症(したんこうつうしょう)という日本に2名しかいない希少難病で、完全に車椅子生活になっているにもかかわらず障害認定されない「グレイス」さんのブログをみてください。

 

どうしても障害者手帳が貰えない場合は

医師に自分の障害を理解してもらえず傷つくような言葉を受けてしまうのをドクターハラスメント(ドクハラ)というそうです。

障害認定の判断基準として「常時その症状になっている」というものがあります。

しかし体調によっては調子いいときは出ないがちょっと悪くなると、とたんに症状が出て苦しい、というのは私もそうですがよくある事ですよね。
(私の場合は不整脈の発作が出ると歩けなくなってしまう)

この場合は常時その症状が出ていないために障害者認定されないわけですね。

その結果、障害者の認定はされないが健常者として仕事をする事は出来ない、といういう人たちが出てきます。

 

手帳なしで受けられる支援に関する法律

障害者手帳は障害者雇用として働ける以外にも、公共機関のサービスの減額や所得税などの控除があります。

手帳がないということはこういったサポートを受ける事が出来ないので場合によっては生活保護を受ける事を検討しなくてはいけない人も出て来てしまいます。

しかし、さまざまな理由で「どうしても手帳がもらえない人」をサポートする障害者と健常者の中間の人を助ける制度はあるんです。

障害者差別解消法(平成28年4月1日から施行)

内閣府のページ
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html

「不当な差別的取扱い」を禁止し、「合理的配慮の提供」を求める法律。
障害のある人もない人も共に暮らせる社会を目指す。

「不当な差別的取扱い」 とは
国・都道府県・市町村などの役所や、会社やお店などの事業者が、障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として差別することを禁止する。

「合理的配慮の提供」とは
生活のうえで障害のために出来ない事に対して障害者からヘルプをあった場合は負担が重すぎない範囲で対応する。

この法律に書いてある「障害者」とは、障害者手帳をもっている人だけのことだけではありません。
障害者認定はされないが障害のため生活に支障のある人たちは当然含まれるわけです。

医師の一存で診断書を出さないなどのドクハラはこれらに抵触するのではないでしょうかね。

障害者差別解消法(平成28年4月1日から施行)

内閣府のページ
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html

この法律では「不当な差別的取扱い」を禁止し、「合理的配慮の提供」を求めています。そのことによって、障害のある人もない人も共に暮らせる社会を目指しています。

「不当な差別的取扱い」 とは
国・都道府県・市町村などの役所や、会社やお店などの事業者が、障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として差別することを禁止。

「合理的配慮の提供」とは
生活のうえで障害のために出来ない事に対して障害者からヘルプをあった場合は負担が重すぎない範囲で対応すること。

 

自立支援医療

厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jiritsu/index.html

主に精神疾患を患う患者さんのための経済的負担の支援をおこなう制度。

簡単に言うと精神科の病院又は診療所に入院しないで行われる治療(外来、投薬、デイケア、訪問看護等)の自己負担額を軽減できる制度。

基本的には1割負担となります。
さらに患者さんの世帯収入に応じて自己負担額には上限が設けられています。

詳しくは
http://www.ee-life.net/hatena/j_s_iryo.html

障害者総合支援法

この法律で注目すべき点は障害者の範囲の見直しをしているところ。
具体的には

① 難病患者等で、症状の変動などにより、身体障害者手帳の取得ができないが一定の障害がある 方々に対して、障害福祉サービスを提供できるようになる。
② これまで補助金事業として一部の市町村での実施であったが、全市町村において提供可能になる。
③ 受けられるサービスが、ホームヘルプサービス、短期入所、日常生活用具給付だけでなく、新法に定める障害福祉サービスに広がる。
出典:http://www.ee-life.net/hatena/s_sou_sien.html

特に①については難病であるのにも関わらず認定されずに障害者と健常者の中間に位置していた「グレイス」さんのような方に適用されると絶対にいいはずですよね。

詳しくは
http://www.ee-life.net/hatena/s_sou_sien.html

この記事のまとめ

障害者としての支援が受けられずに生活が困難になっている人にとって手帳がもらえないのは深刻な問題ですね。
今回の記事では、まず

(1)診断書を出して貰えない理由についてもう一度確認してみましょう

と提案しました。
自分の置かれている状況を確認するのは大事な事だと思うんです。

そのうえで認定されてもおかしくないんじゃないかと思ったら

(2)いままでの医師とは違う医師に頼んでみる

医師によって判断基準は違うので十分にやってみる価値はあると思います。

そして

(3)障害者手帳をもらえないと困る事

について書きました。

・障害年金や介護保険
・医療費補助や障害者手当
・所得税などの障害者控除
・手帳がないと転職エージェントに登録出来ない

などがありました。

(4)手帳をもらえない事で困っている人はこんなにいる

車椅子生活でありながら障害者認定されない「グレイス」さんを紹介しました。
彼女のブログはとても参考になる事が書かれていますよ。

最後に
(5)どうしても障害者手帳が貰えない場合は

→ 「手帳を所持しない障害者の雇用支援に関関する研究」(大きいPDFファイルなので表示されるまで時間がかかります)
これを参考にして支援を受ける方法を探してください。

支援を受けられるかどうかによって大きく生活のレベルが変わったきてしまいます。
手帳の有無というのは大きいですね。
ドクハラ(ドクターハラスメント)なんてものも本当にやめて欲しいです。

それぞれの方の状況よってはハードルの高い試練になるかもしれません。
なんとか、諦めずにがんばってみてください。
(すいません、最後は月並みな言葉になってしまいました。)


以上「障害者手帳がもらえない(診断書を書いてもらえない)なら担当医師をかえてみたら?」という記事でした。
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