感動するときはこっちが勝手に感動するんで無理くり感動させようとしてこないで!日テレ24時間テレビ
2020/08/30

去年「感動ポルノ」という言葉と共に日テレ24時間テレビとNHKバリバラを取り上げた記事を書いた。
日テレ24時間テレビにはほんとに障害者に対しての理解がすすむような番組になっているのかと批判が集まっていたが、今年も寸分違わず同じような内容でお送りされるらしい。
またNHKバリバラも同じ日に生放送がある。
不思議なのは障害者と何の関係のないマラソン企画。
みんな、あれ好きなんだね〜。
視聴率が良くなきゃ続かないわけだからね。
その他、有名人と障害者がペアになってなにかに挑戦する企画。
ジャニーズのタレントが主役をやる感動ドラマ。
感動するときはこっちが勝手に感動するんで無理くり感動させようとしてこないでほしいんですけどね。
日テレ24時間テレビは同じような内容で今年もお送りされるようですが、その中でも気になる事について書いてみようと思います。
目次(見たいポイントに直行)
ジャニー喜多川さん追悼は関係ないでしょ
まずこれは絶対おかしいでしょう、と思うのはジャニー喜多川さん追悼。
ジャニーさんは障害者、チャリティーには関係ないでしょ。
今年ジャニー(喜多川)さんが7月9日に亡くなった。
芸能界では伝説の人、何十年も前からそのお名前は知っていたが写真でお顔を拝見したのはこの時が初めてだった。
偉大な芸能プロデューサーの死はとても残念な事だと思っていてご冥福をお祈りしたい。
しかし、今年の日テレ24時間テレビでジャニーさんの追悼企画をやるのは納得いかない。
「ジャニーズ若手タレントのプロモーションとしか思えない」という声もあがっているが、そもそも障害者とは関係のないこと。
24時間テレビには毎年ジャニーズ事務所のタレントが司会や重要なポストで出演する。
ジャニーズ事務所の芸能界への影響力の大きさを感じさせる出来事だが、「障害者に対するチャリティー番組」でジャニーさんの追悼番組をやるのは違和感が大きすぎなのではないか。
精神障害は絵にならないからとりあげない?
うつ病・パニック障害等の精神障害者やADHD(注意欠陥・多動性障害)・ASD(自閉症スペクトラム)等の発達障害者はほとんど番組で取り上げられない。
ジャニーズのタレントが主役をやる日テレ24時間テレビ定番に感動ドラマでも精神障害者、発達障害者がテーマになる事はない。
精神障害は見た目ではわからない
そのために職場で障害を理解されることが非常に少ない。
「がんばれば出来るのに逃げてるだけ」
「まわりに甘えているのではないか」
「努力が足りない」
こんな捉え方をされてしまう。
努力すればなんとかなるレベルではないのが精神障害やADHDなどの発達障害。
精神障害、発達障害の人に努力すれば出来ると言うのは下肢が不自由な身体障害者に走れと言うようなものだ、というが理解されないのだ。
女優と難病の少年が登山に挑戦
今年2019年の24時間テレビの企画
女優土屋太鳳さんが難病の少年がスイスとイタリアの国境にあるヴァリス山群の中のブライトホルン(標高4164m)の登山に挑戦。
これはもう感動ドラマになるんだろうな、と想像できる。
しかし精神障害者ではこういう絵になる企画を作りづらいわけだ。
毎年やってるマラソンの意味
今年もマラソンの企画は続いている。
続いているのは視聴率が取れるからだろう。
好感度の高いタレントが精一杯頑張って、体をこわしながらも「頑張ってマラソンを完走する」。
日本国民はこれが相当好きみたい。
障害者とはまったく関係なくなっちゃてると思うんだけど毎年続いている。
多分特番などでやれば視聴率が取れるコンテンツなのだろう。
それを24時間テレビという視聴率が取れる番組内でやる事によってさらに視聴率アップが期待出来るという事なのだろう。
健常者が困難に立ち向かうと障害者に共感してもらえる?
タレントさんが頑張ってマラソンという困難に立ち向かうと障害者にも共感してもらえるかというと、それはほとんどない。
はなから24時間テレビを見ている障害者自体少ないというのもあるが、アンケートでは障害者のほとんどの人が嫌悪感を持つという結果が出ている。
マラソンに挑戦するタレントが得るもの
毎年24時間テレビでマラソンに挑戦するタレントさんのメリット。
ギャラも高額、タレントとしての好感度・知名度アップに貢献する。
その後の日テレとの関係性にも大きな影響があるらしい。
過去にマラソンに挑戦した「ブルゾンちえみ」。
今では他の局のバラエティ番組ではほとんど見なくなった。
しかし日テレの「行列が出来る〜」でしょっちゅう見かけるようだ。
NHKバリバラ生放送
今年もNHK教育テレビでは日テレ24時間テレビに合わせて生放送をする。
時間は8月25日深夜0時から2時25分まで。
今回のテーマは恋愛とセックス
見れる人は絶対見た方がいいですよ。
ツイッターは#バリバラで検索。
障害者自身が(時には自らの障害をネタにして)笑わせることを目指した番組。
まとめ
24時間テレビの出演を断る有名人は多い。
K野武「これ以上貧乏人から金巻きあげんな。チャリティーっていうくらいならお前ら全員ノーギャラで出ろよ!」
AK石家Sんま「ギャラが出るなら出演しない」
H本欽一「出演してもいいけどギャラ全部寄付しろ」
(伏せ字にしたらとても変・・)
去年も書いたが結局「24時間テレビは一般健常者向けに作られているバラエティー番組」であるという事にかわりはない。
バラエティ番組であっても障害者の社会的立場、職場での立場に対して一般健常者が理解する事が出来、配慮する事が出来るように貢献する番組であってほしいと今年も願うのだ。
最後に両親がろう者であるフリーライター五十嵐大(イガラシダイ)さんの言葉を引用させてもらう。
『24時間テレビ』を観ながら感動の涙を流し、「大変なんだね」と同情し、そして翌日にはそのことを綺麗サッパリ忘れてしまう。それこそが障害者をコンテンツにし、「消費」していることに他ならない。
障害者の日常は健常者を楽しませるための消費コンテンツなんかではない。そのことを絶対に忘れないでほしい。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f39ea6dc5b65bbd8c8efed5
以上「感動するときはこっちが勝手に感動するんで無理くり感動させようとしてこないで!日テレ24時間テレビ」という記事でした。
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