ADHDの人の就職支援の現実、どこが問題なの?
2019/08/21
このサイトではいろんな障害を持つ人が自分たちについての情報を調べるときの助けになるように記事を書いています。
今回はADHDの人の就職についてです。
ADHDについて調べていたら、なんか自分の事なんじゃないかと思う事がいくつもありました。
空気が読めない、人の気持ちが理解出来ない、遅刻を頻発する、部屋の整理、整頓が出来ない。
こういうのめちゃくちゃ自分に当てはまります。
自分の言いたい事があると衝動的に相手の言葉を遮って喋ってしまう。
何度も何度も遅刻しないようにと思っているのに、気がつくと出かける5分前になっていて、そこから準備をはじめる。オレの事じゃん。
なんとかぼくはギリで会社勤めをせずにやってこれましたが、こうしたミスが続き会社で怒られ続けた結果、うつになり会社をやめてしまう人が多いのを知りました。
ボロボロの状態になって初めて心療内科などの診断を受けADHDやアスペルガーだという事を知るわけです。
この先どうるすか、障害者枠で就職をするか、病気は隠して健常者として就職するか、難しいところですね。
この記事ではADHD、アスペルガーの人の就職について「お前に何がわかる」って言われるの前提で書いていこうと思います。
目次(見たいポイントに直行)
ADHD(注意欠如多動障害)の事調べていたら自分もそうなのかもと思ってしまった
子供のころ、「空気」が読めない、人の気持ちが理解出来ないと言われていたり、通知表に「落ち着きがない」「集団行動」が出来ないなど書かれていた。
こんなのは誰でもある事。ぼくも大人になって思えばそういう傾向が強かったなと思う。
一人で何かに没頭するのが好きだったし得意だったが人の気持ちをくんだり、集団行動をするのは苦手だった。
でもそれは努力をすれば改善するというレベル。
努力すれば改善するなんていうレベルではないのがADHD、アスペルガーなどの発達障害なのだ。
発達障害の人に努力すれば出来ると言うのは下肢が不自由な身体障害者に走れと言うようなもの、という言葉があった。
ADHD、アスペルガーの人は自分の病気に気が付いていない事が多い
見た目が健常者とまったく変わらない精神障害の人は社会に出て大きなストレスにさらされるまで自分の病気に気が付いていない事が多い。
社会に出て職場での生活が苦しすぎて診療内科などの診断を受けてみる。
そこで初めて自分の病気に気づくのだ。
ウェクスラー成人知能検査
心療内科などではウェクスラー成人知能検査というものをやるそうです。
といった検査
「大人のADHD」セルフチェック→https://adhd.co.jp/otona/selfcheck/
ADHD、アスペルガーで前職をクビになった人は多い
子供時代は「変わっている子、空気を読めない子」で済んでいたものが社会に出てからは深刻な事になる人がいる。
就職し仕事をするようになってから職場でミスを連発してそのために怒られたり、周りから悪口で叩かれる。
そういうストレスからうつ状態になってしまう人がいる。
ADHDそのものではなく、ADHDによるミスの多発などで会社で上司に叱責されたり同僚からの心無い陰口などのせいでうつ病になってしまう。
そういうことを二次障害といいます。
そんな状態になって診断を受けて初めてADHD、アスペルガーという発達障害だという宣言を受ける。
自分は健常者だと思っていままで生きてきたわけだから、この事は大変なショックを受ける人が多い。
受け入れるまでに時間がかかるそうです。
もし自分がそう言う宣言をされたら、その事を会社に話すべきか話さないべきか?
話さない場合
診断を受けた医師からの薬の服用で症状を抑えられる軽度の人はうまくやっていけるかもしれません。
そうでない場合は、またミスの連発で叱責、悪口の悪循環で残念ながら仕事はつづられないでしょう。
話した場合、発達障害であることを伝えた会社の対応は?
- どうでもいい仕事を任されるようになった。
- 明らかに対応に戸惑っている
- コミュニケーション不足ということで部署を変えられた。
- 自分ではコミュニケーション能力をあげる練習をした。
- 障害者手帳を取得する事をすすめられる。
- 社内規定に反するという事で退社勧告を受ける。
- 会社にいずらくなり退社しようと思う。
- 障害者手帳取得と同時に会社から事実状クビになる
退職理由
退職理由はその後の生活に大きな影響を与えます。
会社からやめてくれと言われた場合は「会社都合」。
自分からやめると言った場合は「自己都合」。
退職理由が会社都合なら退職後の失業保険給付金が
最大120日まで伸びる。
また自己都合退職なら、初めの給付金が貰えるまで約4ヶ月かかるが、会社都合なら、最初の月から貰える。
会社都合ならしばらくは失業保険で食えるということですよ。
精神障害の求人は少ない
障害者手帳を取得したことで障害者枠での求人を探す場合。
ハローワークで求人を探すが精神障害の求人はとても少ないのに気づく。
2018年春から精神障害者の雇用義務化が始まりましたが、現状はまだまだのようです。
これからの働き方
二次障害のせいで次の仕事を探せない人がたくさんいます。
引きこもりになったり、仕事に対する恐怖感を持ったりして何年も無職という人もいます。
でも生活のために仕事をしていかなくてはならないのです。
オープンでの働き方
障害をオープンにして障害者枠で求人を探す。
障害者として配慮されるのを前提とした就職をする。
雇用促進法によって基準の従業員数を超えた規模の企業は法廷雇用率を満たすまで障害者を雇用する義務がある。
そのために設けられた障害者用の雇用枠。
障害に対して配慮するのが前提の企業を選べるというメリットがある。
ただし、給料は安いし、そもそも求人数が少ない。正社員採用も少ない。
クローズでの働き方
ADHD、アスペルガーの事は公表しないで一般枠で就職する
自分の障害を理解してミスをしない方法を自分で工夫する。
ADHD、アスペルガーの特性にあった職場を探す必要がある。
気をつけないと、また退社、次の仕事探しという悪循環に陥る可能性もある。
ADHDに向いていないとされる仕事
ミスが許されない仕事
●医者、看護師
ただし実際にはADHDで看護師をされている人は結構いるし、医者をやっている人もいる。
●秘書
●弁護士
マルチタスクの仕事(同時に複数の事に対応しなければいけない)
●接客業
忙しい飲食関係など
●会社の一般業務
人事、経理、総務、事務
●ドライバー(旅客業)
●コールセンター、窓口の受付など
単純すぎる仕事
●製品の検品・検査・仕分け
工場などでの流れ作業
ADHDの人に向いてる職業
一般的な職業で求められるものは「なんでもそつなくこなす」という事だが、
「なんでもそつなくこなす」という事が出来ないのがADHD。
しかし自分の得意なものは人よりもずば抜けてこなす事ができる。
いわゆる天才のほとんどはこの傾向がある。
なんでもそつなくこなして、なおかつ特定の分野だけに天才を発揮させる人は見た事がない。
適職は個人の技術が要求される仕事
●Web・IT(プログラマーなど)
●インストラクター
●調理師
●整備士
こういった職業が向いているとされているが、とにかくパニックを起こすようなストレスを感じないような職業を選ぶべきです。
実際の職場では
しかしながら、発達障害だからと言って、損をするようなことはありません。職場や私生活において、
不当に差別を受けることが法律で禁止されているからです。
引用元:https://salad-knowdo.com/blog/hattatsu-shindan_demerit1/
こういうのってどう思います?
現実ではありえない事を言っていると思いませんか。
職場や私生活において、不当に差別を受けて二次障害になるのが現実でしょ。
事前に口コミなどで雰囲気を調べる
ツイッターによると、
ASDやADHDが就職/転職先の企業を探すtipとしては、転職サイトで口コミに「常識がない人間が多いのに、上に言っても“寛容にしてあげて”で終わらされる」「コミュニケーションが変な社員が多い」「みんな仕事のルールが独特」などが書かれてないか注目するというのがあるな。勿論、そこが狙い目な。
— rei (@rei10830349) May 10, 2019
自分の障害を理解してミスをしない方法を自分で工夫する
一度聞いただけでは覚えられない→スマホの録音機能をフル活用。
手帳に、1時間刻みで、その日やる仕事書いてる。普通は分かるようなルーティンの仕事も、忘れるので細かく。机回りも細かいこと書いた付箋ベタベタ。定期的にそれを見る癖をつけてる。教わったことはすべてメモ、コピー。過剰な位に、簡単なことも全て、ファイルにいれて自分用マニュアル化。パニックになって頭から消えたとき、見てわかるように。自分のやった事はトリプルチェック。これだけやっても、少しでも気を抜けば大失敗だし、職場では抜けた人扱いだからつらい(–;)
引用元:https://girlschannel.net/topics/808910/2/
これらを見ていると仕事を続けていけてる発達障害の人たちは自分の特性を冷静に理解しているんだなって思います。
何に気をつければミスをしなくなるのかを努力してカバーしているんだと思います。
障害者手帳
それまで普通の仕事をしていた人は障害者として手帳を取得する事に抵抗感が大きい。
しかしオープンにしろ、クローズにしろ、手帳は持っていた方がいいと思います。
クローズ(障害を公表しない)で働いていても障害者手帳を使って税金の控除を受ける事は出来ます。
抵抗感の変化
40代以降の人は手帳を取得するのに抵抗感が大きい。障害者としての自分を受け入れるのが困難なため。
しかし最近では変化が起きている。
20代は比較的手帳を取得するのに抵抗感は少ない。交通機関、その他安く利用出来るという事をドライに評価していてうまく活用出来ている。
自分で就職活動が出来る状態なら
就職エージェントを利用する
就職活動はADHDの人にとって苦手な事が多い。
●膨大な求人情報を何日もチェックする。
●職務経歴書、履歴書などの作成。
●各企業の面接の日程調整、そして実際に面接に出向いてゆく。
これらの事をある程度は同時期にこなしていかなくてはなりません。
マルチタスクが苦手なADHDの人にとってはつらいでしょう。
転職エージェントなら専任のアドバイザーがついてかなりの部分を代わりにやってくれます。
就職活動で挫折しないためにも転職エージェントの利用は検討する価値ありだと思いますよ。
ADHDに理解のある職場かどうかの見極めも転職のプロであるアドバイザーの力を借りた方がベターでしょう。
ADHDの雇用実績のある企業を紹介してもらいましょう。
転職エージェントの利用者の50%は精神障害の人だというデータもあります。
資格・スキルを取得する
各種免許など取れるものを検討する。
プログラマー、デザイナーなどのスキルを身につける。
二次障害などですぐに就職出来る状態ではないなら
就労支援所を利用して生活のリズムを取り戻す
就労支援所とは障害者への職業訓練を行う障害福祉サービスです。
パソコンスキルなどの職業訓練はあるのですが、二次障害で生活のリズムが乱れている場合、たとえば決まった時間に出社するのが困難、毎日仕事をするのが困難、こんな状態の人はまず生活のリズムを取り戻す事から始めましょう。
発達障害に特化した就労支援所→【リンクビー】
体験談記事など参考にさせてもらった記事へのリンク
今回の記事を書くのにたくさんのネット上の記事を参考にさせていただきましたが、その中でも読んで欲しいものにリンクを貼っときます。
発達障害ADHDの仕事探しについて。就職するときに困ったことは?
発達障害カミングアウトで退職に追い込まれた26歳。実体験から伝える、退職までの軌跡とこれから
漫画で読む発達障害
あとがき
ADHD、アスペルガーで職場を退社した人は度重なるミスのせいで何度も上司から叱責を受け、同僚から悪口を言われ「うつ」を発症しボロボロの状態になって職場を去る人が多いようです。
そんな状態でも前を向いて次の仕事を探す姿勢には頭が下がります。
何から手をつければいいのかわからない人にこの記事が少しでも参考になればと思って書きました。
早く理解のある職場が見つかる事を祈っています。
以上「ADHDの人の就職支援の現実、どこが問題なの?」という記事でした。
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