精神障害者手帳3級をとったら就職に有利になるのかデメリットはないのか心配
2020/01/24
3級程度の軽度の精神障害を持っている人が就職を考える場合に手帳(精神障害者保健福祉手帳)を取得するかどうかを迷っている人って結構いるみたいです。
クローズで就労出来ているんだけど長続きしない。
やっぱり手帳をとって障害者枠で配慮を受けながら働いた方が長続きするんじゃないかな。
でも手帳を取る事で自分が障害者であるという事を認識するのはプライドがちょっとね〜。
この記事ではそういう悩みを持っている人のために
●手帳を取る事のデメリットはないのか
という事を調べていきます。
目次(見たいポイントに直行)
長く安定して働くなら精神障害者保健福祉手帳は取った方がいい
結論から言うと長く安定して働くなら精神障害者保健福祉手帳は取った方がいいです。
このサイトでは精神に障害のある人向けに精神障害者手帳の事や就職の事について調べて記事にしていますが、
軽度の精神障害を持つ人でクローズ(障害を公表しない)で働いている人はたくさんいますが職場のストレスに耐えられずに症状が悪化してやめてしまう人は多いです。
自分に出来そうな職場を探す、就職する、症状が悪化してやめる、このサイクルを繰り返す人たちは自分の将来の事をとても不安に思っています。
それなら障害に配慮してもらえる職場で安定して長く働ける障害者枠の就職にした方がよくないですか?
でも障害者枠だと給料が安くなっちゃうからね〜
たしかにそうですが長い目でみたら、「クローズで就職→やめる→職探し」を繰り返すより収入は多くなると思いますよ。
自分のこと。
ぼくは心臓に問題があり(心房細動)、そのためにカテーテル手術を受けました。
しかし残念ながら術後、再発してしまいました。
週一程度で不整脈の発作が出るので外にで働く事はむずかしいです。発作が出た時は仕事が出来ませんから。
現在は自宅で出来る仕事をして生計をたてています。
医師の診断では障害者(身体)にはならないという事なので健常者として仕事をしていくしかありません。
こんな状態でも配慮してもらえる職場があればいいのですが。
精神障害者手帳取得を躊躇するわけ
精神に障害を持つ人が手帳を取るのを躊躇するのはいくつか理由があると思うのですが、
その一つは外見からでは障害があるとはわからないという点です。
身体障害者の方は外見でわかる障害の方が多いですが、精神障害の場合はほぼわからないですよね
やきとん屋の店主にしたらこんなに気持ちよくレモンサワーのお代わりを連発する客がまさか心臓が悪いとは思わないでしょうね。
障害がある事を知られたくない
身体・知的の手帳はおもてに「身体障害者手帳」「療育手帳」と明記していますが、
精神障害者手等のおもてには「障害者手帳」としか書いていません。
これは精神の障害があることを世間には知られたくない人への配慮です。
世間的には健常者として暮らしているので障害がある事を知られたくない人はいますよね。
プライド
精神障害者手帳取得を躊躇する一番の原因は自分を障害者だと認めたくないというプライドです。
たとえ手帳を習得したとしても障害のあることを公表せずに暮らすことは出来ます。
障害の程度によっては仕事もクローズで健常者と同じ条件で働くことも出来ます。
ただし「自分はまだ障害者ではない」というプライドがあると精神障害者手帳取得を躊躇することになります。
差別
この「自分は障害者ではない」というプライド。
考えてみたらこの人自体に障害者を差別する考えがあるからこそ出てくる考え方かもしれません。
親の反対
自分の子供が精神の障害を持っている事を認めたくない親御さんはいるものです。
親の反対のせいで手帳を取らない(取れない)人も少なくありません。
障害者を差別している親
結局、障害者を差別しているのはその人の親だということになります。
手帳を取る事で人生の選択肢を狭くしてしまうという誤解
精神障害者手帳をとることで世間からレッテルを貼られて「障害者としてしか生きられない、選択肢がない」と感じてしまう人もいます。
でも無理やり健常者として仕事をして障害のために辞めることになる、こういう事を繰り返すのが選択肢の多い人生なんでしょうか。
手帳を取って障害者枠で安定した仕事につく事で見えてくる選択肢はあると思うんですよね。
障害に配慮された働き方をする事で生活に余裕が出てくればスキルアップのために何かをして、いい条件のところへ転職する事も不可能ではないですよね。
自分を障害者だと認めるのは辛い
うつ病の「さっしー」さんのブログから引用させてもらうと、
引用:http://utsubyou-stress.com/seisinsyougaisya-tetyou-478
健常者からみると手帳をとるデメリットなどないようにみえるが、(障害者としての情けない自分=自尊心)を認識するのがどれだけ辛いかは健常者にはわからない。
う〜ん、そうですね。たしかにわかりません。簡単に「前向きに考えましょう」なんて言えないです。
こういう声を聞くと手帳を取る事を躊躇してしまう人がいるのはしょうがない事なんだとは認めざるをえません。
単に手続きが面倒
単純に手帳の取得の手続きが面倒な人、どうやって取ったらわからない人はこちらの記事を参考にしてください。
精神障害者手帳3級を取ると就職するのにどんなメリットがある?
就職の事を考えると精神障害者手帳3級を持っていた方が有利にはなると思いますよ。
「手帳を取る事で人生の選択肢を狭くしてしまうという誤解」という項目でふれましたが、
「障害者枠で就職出来る」このことが精神障害者手帳3級を取る一番大きなメリットではないかなと思います。
無料なのでハロワ以外の選択肢として登録しておくとグッド
障害者専門の転職エージェントが使える
職を求める障害者と人材として障害者を採用したい企業とをマッチングさせる仕事が障害者専門の転職エージェントです。
この場合企業は、法廷雇用率を満たすため障害者認定された人材を欲しがっています。
障害者認定された人材とは障害者手帳を取得している人のことです。
障害者専門の転職エージェントを利用するには障害者手帳が必須なんですよ。
障害者枠で就職する
クローズで健常者として働いた経験のある人が障害者枠で働くと全然頑張らなくても務まるいわゆる「ゆるい職場」だと感じるそうです。
でも「ゆるい職場」なら自分のスキルアップのための時間も取れそうではありませんか。
ビジネススキルを身につけて転職してやりがいのある仕事を見つけられるという選択肢が生まれます。
障害者手帳を持っていてビジネススキルがある人なら、障害者向け転職サービスにとってもいいお客さんです。
企業へ紹介したときに採用になる確率が高くなるからです。
紹介した障害者が採用になれば転職サービスの会社には紹介料が入りますからその分条件のいい求人を紹介してもらえる可能性は高くなります。
ハローワークでの職探しが一般的ですが障害者専門の転職エージェントに登録しておいたほうが選択肢が拡がりますよね。
本当にデメリットはないのか?
手帳を取る事によるデメリット。先ほどあげたプライドの問題。これが一番大きい・・というか手帳を取る事自体にデメリットはそれくらいしかないでしょう。
でも当事者からしたらそれは深刻な問題ではあるのですが・・。
手帳をとって障害者枠ではたらくことのデメリットを考えてみます。
手帳3級を取る事が就職をするのにデメリットとなる事は?
障害者枠での採用によるデメリットのひとつとしてステップアップが難しいという点があります。
健常者だったら与えられるステップアップのチャンスが与えられない場合が少なくない。
これは昇給の機会が少ない、責任のある仕事を任される事が少ない、という事につながっていきます。
これについては自分でビジネススキルを上げていくしかないでしょう。
ビジネススキルを上げて条件のいい職場へ転職していく。
そのためにも転職エージェントは使い道がありますよ。
ある程度の「ゆるい職場」なら就業時間以外で自分でビジネススキルを上げていく余裕があるんじゃないでしょうか。
まとめ
精神に障害を持つ方で健常者としてクローズで働くのに不安を感じる人は精神障害者手帳3級を取りましょう。
プライドが傷つくのはわかります。
しかし健常者として働く職場で「出来ない人」みたいに言われる方がプライドの傷つき方として大きくないですか。
安定して長く続けられる仕事についてこれからの選択肢を探っていきましょうよ。
以上「精神障害者手帳3級をとったら就職に有利になるのかデメリットはないのか心配」という記事でした。
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