障がい者雇用の年齢制限、40代以上は厳しい?

      2020/01/21

40代以上で障がいを持つ人にとって年齢は就職・転職のハンデになるのでしょうか。
調べて見ると障がい者の雇用状況は一般の人とはちょっと違うことに気がつきます。

それは法定雇用率の引き上げによる影響で障がい者を雇用する企業側が職を求める障がい者の多数派である40代以上の人たちを無視出来ない状況にあるという事です。

今回の記事は「40代以上の障がい者が働きやすい職場を見つける事はむずかしいのか」という事について調べてみました。

この記事でわかる事
●厚生労働省の労働者の募集・採用における年齢制限の禁止について
●今現在障がい者の雇用は売り手市場だと言われている
●ハローワークより転職エージェントをすすめる理由

年齢的なハンデに障がいを持つハンデ、両方を抱える人たちの就職・転職

一般には40代以上の人の就職・転職は厳しいとされていますよね。
さらに障がいを持つ人、特に精神・発達障害の人たちの就職・転職も厳しいとされています。

年齢的なハンデに障がいを持つハンデ、両方を抱える人たちには就職・転職はさらに厳しいんでしょうか?

障害者雇用の現状を調べて見るとちょっと事情が違う、という事に気がつきました。
それは企業の障害者雇用枠のせいです。

今現在は売り手市場である障害者雇用の現場では能力のある20代、30代を求めても、なかなか見つからない。
企業としては職を求める障害者のうち多数派である精神障害・発達障害・40代以上を無視出来ない状況にあると言えるのです。

つまり障害者雇用枠を満たすためには多数派である人材から雇用するしかない。
そのため40代以上の障害者でも雇用されるチャンスはあるのです。

しかし売り手市場なのだから自分の就きたい仕事につきやすいかと言うと、そううまくはいかなくて、障がいを理解して配慮をしてくれる職場を探すのはやはり根気のいる作業になります。

仕事を選ばなければ見つからないことはないと言われますが、出来るだけ自分にあった仕事、やりがいのある仕事に就きたいと思うのはみんな同じですよね。

厚生労働省によると

厚生労働省による雇用対策法によると募集・採用の場では年齢制限を原則として禁止するとなっています。

雇用対策法が改正され、平成19年10月から、事業主は労働者の募集及び採用について、年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないこととされ、年齢制限の禁止が義務化されました。
厚生労働省 https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-roudoukyoku/news_topics/topics/_120757.html

 

労働者の募集・採用における年齢制限の禁止 参考PDFファイル
https://jsite.mhlw.go.jp/kanagawa-roudoukyoku/var/rev0/0119/2044/20171019102913.pdf

現実には年齢制限はある

しかし年齢によって雇用がされにくいというのが現実です。

即戦力として経験のあるミドル層の人材が必要とされる場合はあるのですが、おなじ職務能力があるならば圧倒的に若手の人材を企業は欲しがります。

障害者職業総合センターによるアンケートによると障害のある中高年齢求職者の就職が若い年齢層より困難になっていることわかります。

障がいのある中高年齢求職者の就職活動に関する調査研究PDFファイル
http://www.nivr.jeed.or.jp/download/shiryou/shiryou64.pdf

しかし40代以上の求職者で健常者と障害者を比べた場合障害者の方が就労しやすいという情報もあります。

職を探す障がい者のうち40代以上の割合は?

(平成28年度)ハローワークの年代別就職件数データを見てみます。

10代 1.9%
20代 20.7%
30代 22.3%
40代 24.7%
50代 17.0%
60代 13.4%

 

年代別就職件数では40代がトップ

意外な事に年代別就職件数では40代がトップで30代、20代というように続いています。

さらに40代以上の合計も多いのがわかります。

10、20、30代の合計 44.9%
40、50、60代の合計 55.1%

これは就職件数のデータなので就職出来た人の年齢を調べたものです。
これを見ると40代以上で就職出来た人の割合が多いという結果になっています。

40代以上の障がい者は一般の人より就労しやすい?

40代以上の障がい者の就職件数が多いのは障がい者の雇用に関する法律が大きく影響しているようです。

2018年4月から障がい者の法定雇用率が2.0%から2.2%に引き上げられました。この事により企業ではそれまでよりも多くの障害者を受け入れる義務が生じています。

人数が足りてない場合、企業は1人につき月額50,000円の障害者雇用納付金を納付しなければいけません。
逆に法定雇用率を超えた人数を雇っている場合は1人につき月額27,000円の障害者雇用調整金が支給されます。

この法定雇用率の引き上げを受けて新たに障害者を雇う企業が増えているのが現実なんです。
企業が障害者を受け入れる場合、20代~30代の人材が欲しいとは思ってみてもなかなかその年代だけでは集まりません。

職を探す障害者の多数を占めるのが40代~50代の年齢層だからです。

法定雇用率を満たすために多数派の40代~50代を雇用するしかない状況にあると言えるのです。

雇用の伸び率は精神障害者が一番大きい

2019年4月の厚生労働省の発表では精神障がい者の雇用者数が6万7395人で前年度から34.7%増しています。

これは2018年4月に精神障がい者の雇用が義務化されたことが大きく影響しています。

つまり40代~50代の年齢層の精神障害者は就労がしやすい傾向になっているわけです。

しかし雇用者の絶対数は少ない

しかし依然として精神障がい者の雇用の絶対数は少ないのが現状で、全国の精神障がい者数392万4千人からするとその雇用者数は僅か1.7%です。

精神障がい者の雇用は難しく厳しい現状であるのは確かです。

 

40代・50代での転職・中途採用で気をつけること

前述した割合を見てもらえれば50代でも転職をする人は実際に少なくないのがわかると思います。
40代以上の就職件数合計が全体の55.1%です。

40代・50代での転職・中途採用で気をつけることをみていきましょう。

面接でアピールするところ

40代・50代なら若手にはない経験・実績を即戦力としてアピールする。
採用担当者に「自分のことを理解出来ている人物」と思わせるのは重要です。

障害を持っていても仕事を責任を持ってやって来たという経験・実績。
どういう配慮をしてもらえば普通に業務をこなしていけるか、自分の障害に対する理解。

これらをアピールしていきましょう。

プライドの高さと謙虚さは同時に持てる

プライドを高く持つ事と謙虚な姿勢でいるという事は40代・50代で転職するのに大事な事です。
培ってきた経験・実績にプライドを持つ事はすごくいい事だと思います。

しかし同時に謙虚な姿勢も新しい職場で受け入れてもらうには必要ですよね。

自分にあった職場の探し方

法定雇用率の引き上げによって雇用市場は売り手市場だと言われています。

しかし自分にあった職場が見つけられる障害者は多くないという声も聞こえてきます。

企業の中には特例子会社といって、障害者雇用が目的の子会社を立ち上げる企業もあります。
多くの特例子会社はバリヤフリーなど障害者に対する配慮がされています。

こうした企業に入れればいいのでしょうが、中には法定雇用率を満たすためだけに障がい者を受け入れる会社もあります。

ハローワークを進めない理由

ハローワークでよくある「年齢不問」として障がい者を受け入れる求人があります。
問題は求人票にある条件が実情とは違う事が多いという点です。

ハロワークは求人を紹介するサービスですが求人票にある条件の内容については調べているわけではありません。
実情は障がいに対する配慮や理解のない職場である事は少なくないのです。

転職エージェントのすすめ

自分にあった職場を見つけるために「アットジーピー」のような転職エージェントの利用は効果的だと思います。

転職エージェントのアドバイザーと相談しながら職場を探していくので時間はかかりますが、自分の障害に対して理解してもらい、どういう配慮を希望するのかを理解してくれる職場を探していくのです。

ハローワークではなく転職エージェントをすすめる大きな理由はいくつかあります。

転職エージェントでは企業側がお金を出して障害者という人材を探している

転職エージェントの収入は企業の希望する人材を紹介出来たときに企業から支払われる手数料です。

つまりお金をかけて人材を探している会社という事になります。

それに対してハローワークでは求人の掲載に料金がかからないため費用をかけずに採用したいという会社が集まってきます。
基本的には誰でもできる仕事が中心のため、給料が低い求人が多いのも事実です

転職エージェント公式サイト

転職エージェントの使い方は複数のエージェントに登録して希望に合う求人を出してもらい、その中から絞っていくという方法がいいと思います。

登録料、利用料は無料になっていてお金は掛かりませんのでハローワーク以外の選択肢として用意しておいていいと思います。

→アットジーピー【atGP】

→dodaチャレンジ

→ランスタッド

→【ラルゴ高田馬場】

詳しくはこちらの記事で↓

 

まとめ

ぼくも職を求める障がい者の多数を占めるのが40代以上の人たちだとは思っていませんでした。
年齢を気にして就職・転職をあきらめるというのは認識違いでしたね。

売り手市場である今なら企業の障害者雇用枠を狙って転職エージェントに登録してみるのは有効な方法だと思います。
働きやすい職場を求めてトライしてみてください。

補足

転職エージェントを利用するには障害者手帳が必要です。

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以上「障がい者雇用の年齢制限、40代以上は厳しい?」という記事でした。
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