精神障害者保健福祉手帳とは?対象疾患や申請の仕方を解説

      2019/12/27

精神に障害がある人が持つ障害者手帳を正式には精神障害者保健福祉手帳といいます。

この手帳を申請するには医師による診断書が必要です。
精神障害者保健福祉手帳の申請を考えている方に向けて

●対象となる疾患
●等級
●申請の仕方
●手帳を持つ事によるメリット・デメリット

これらを解説していきます。これから手帳を作ろうと思っている精神に障害のある方は参考になさってください。

 

精神障害者保健福祉手帳とは

精神障害者保健福祉手帳(せいしんしょうがいしゃほけんふくしてちょう)は、平成7年(1995年)、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)第45条により規定された精神障害を持つ人のための手帳。

身体障害者手帳、療育手帳(知的障害)と違って表紙にはシンプルに「障害者手帳」とだけ記されている。

精神障害手帳を持つことによっておこる差別や偏見を考慮したものとされているが「障害者手帳」とだけ記されているものは精神障害者手帳であるとわかる人にはわかるわけだ。

精神障害者保健福祉手帳は発達障害の人にも交付される。

手帳の有効期限

身体障害者手帳・療育手帳(知的障害者)との大きな違いは運転免許証のように有効期限があるという事。
2年ごとに医師の診断書と一緒に申請して審査される。

審査の結果、症状がよくなった場合は手帳が発行されないこともあり、そうなると公的には障害者として認定されなくなる。
つまり福祉的サービス、控除などが受けられなくなる。

対象疾患

厚生労働省の説明では

  • 統合失調症
  • 躁鬱病
  • 非定型精神病
  • てんかん
  • 中毒精神病(有機溶剤などの産業化合物、アルコールなどの嗜好品、麻薬、覚醒剤、コカイン、向精神薬などの医薬品)
  • 器質精神病(精神遅滞を除く)
  • その他の精神疾患(発達障害を含み、精神遅滞を伴うものを除く)その疾患のために長期にわたり日常生活、または社会生活への制限がある方。

などが対象疾患となっている。

手帳交付の手続き・診断書

交付の手続きは各市区町村で行う。
本人又は家族が行うがあくまでも本人の意思のもと行われる。
本人が反対すれば出来ない。

医師による診断書が必要だが最初に受診した日から六ヶ月を経過していなくはいけない。

等級

 

等級は3つに分けられる

 

1級
他人の援助がなければ生活に必要な事が出来ない状態。
着替え食事(作るのではなく食べること)、お風呂など体を清潔に保つことなど、
ひとりでは日常生活が出来ず、寝たきりのような状態。
病院に一人で通院出来る人には1級はいません。
2級
基本的な日常生活はひとりで出来るが、就労は困難な状態。
一人で外出は出来るが、誰かの助けや助言が必要になる場合もある。
3級
日常生活、社会生活にある程度、支障がある。
ひとりで生活は出来るがストレスがかかると出来なくなることもある。

3級程度の方は診断する医師によっては障害者とはみなされないで申請に必要な診断書を書いてくれない事もあります。

 

判定基準

申請時に提出された医師の診断書によって等級の判定がされる。
判定の基準について詳しくは厚生労働省の資料を参考にしてください。

参考資料:→精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について

手帳を持っていることのメリット

 

手帳を持っていることで受けられる控除・割引

手帳を持っていることで受けられる控除・割引は主に次のようなものです。
●税金の控除
●交通機関の割引
しかし等級や地域によって受けられるサービスは違ってきます。

 

手帳を持っていることのデメリット

客観的に見ると手帳を持つことのデメリットはないように思えますが、本人からすると手帳を持つことによって周囲からの差別や偏見などが心配になる事もあります。
しかし手帳を持ったことを公表する義務はありません。

障害年金

障害や病気によって生活や仕事に支障がある場合に年齢に関係なく支給されるのが障害年金です。

障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があります。

障害の度合いに応じて、3つの等級に分かれているのは精神障害者保健福祉手帳と同じだが、手帳の申請と障害年金の申請はまったく別のものです。

障害者手帳を持っていなくても支給されます。

原則、病名に関係なく生活や仕事に支障がある場合に支給されるのですが、精神障害の人格障害(パーソナリティ障害)と神経症は支給対象外です

障害年金は年金事務所へ申請します。

精神障害者保健福祉手帳まとめ

精神に障害を持つ方に交付される精神障害者保健福祉手帳について解説しました。

福祉的な控除・割引。障害者枠での雇用などには必要になります。

一番軽い等級、3級程度の人は医師の診断により交付されない事もあります。

身体障害者手帳・療育手帳との大きな違いは2年ごとに審査があり更新しなければいけないことです。

交付された方は2年ごとの更新を忘れないようにしてください。

 


以上「精神障害者保健福祉手帳とは?対象疾患や申請の仕方を解説」という記事でした。
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